河原デザインスクールの色彩講座D色の不思議な働き
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平安時代「今様色」と呼ばれた色がありました。今様とは当世風という
意味で、 現在でいう流行色のことです。色は、紅梅の様な可愛い桃色
であることから、平安朝の人達は、「紅梅色」と名付けました。
この桃色は、当時の女性達の心を捉え、たいへん人気があり、
流行したので、このような紅花染めの桃色を「今様色」と呼びました。
平安時代から今日まで、いつの時代も桃色は、
清純な乙女を象徴する色として愛されてきました。
さて、人気の高いこのピンクを視点を変えて眺めて見ましょう。この色に
異常なほど執着するようになり、四六時中ピンクのものを身に付けていないと
落ち着かなくなると、少し注意しなければなりません。どうも紫と同じ働きを
するようなのです。だから紫にこだわる人に 「ピンクはお好きですか」と尋ねると、
決まったように、「大好きです」と答えが返ってまいります。
ただ、紫と多少違うのは、身体に熱のある時に無性にピンクに魅かれることです。
ピンクのはながむしょうにほしくなり、ついかってしまったがに魅かれたする場合、
心が疲れていて、その時風邪を引いていて熱があったと、ある女性が語ってくれました。
現在、今様色と呼んでいる色は、やや濃い紅梅色のことを云います